掃除後の工具ボックス第3回 加工機に対する日々の管理掃除が必要な工具ボックスQDT Vol.50/2025 March page 0351 加工が行われる加工ルームは、常に切りくずと加工片で覆われている。日々の作業が忙しくて加工ルームの掃除を怠ると、集塵機の吸いが悪くなったり、切削オイルの噴出量が弱くなったりする。一見、加工に大きな影響はないと思われるかもしれないが、何十μmの精度に悩まされる補綴装置の適合においては、無視できない要素となる。たとえば、家庭用掃除機や空気清浄機、エアコンなど、モーターを使用する家電製品においても、フィルターや吸引したごみを適切なタイ日々の加工ルームの掃除が精度の安定につながるミングで掃除しないと、吸引力の低下が起こるのと同じ現象である。家電製品においても、定期的にメインテナンスができない場合、使用前に中のごみを捨てたりフィルターを掃除したりすることで、本来の能力が発揮できる。これは加工機においても同様である。 しかし、これらの管理は応急処置であり、加工機の寿命を長持ちさせるために効果的なのは、加工後すぐに清掃して可能な限り常に整った環境を維持することである。abc79図2 加工ルームは、常に切りくずと加工片で覆われている。日々の作業が忙しくて加工ルームの掃除を怠ると、集塵機の吸いが悪くなったり、切削オイルの噴出量が弱くなったりする。これは家電製品で掃除を怠ると吸引力が低下するのと同様の現象である。加工後の加工ルームと工具ボックスの例図3a~c 乾式加工機の加工ルームは切りくずを集塵機が吸引する構造だが、切りくずの量が多くなると、集塵しきれず内部に溜まってしまう(a)。加工中はエアブローで工具回りを吹き飛ばしてくれるが、bのように工具ボックス周辺には切削粉が落ちている。加工時、次のドリルを掴みに行く際、切りくずがコレットの隙間に入り込んでいると、工具の掴み/離す作動に悪影響を及ぼすため、日々の掃除が重要になる。加工前 ①加工ルームの掃除
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