後編:9分割形態分析法の臨床応用と臨床形態学を取り入れた歯列デザイン 前編では、天然歯形態を再考しながら、多様な臨床要件を満たすための新たな形態デザインコンセプトとして9分割形態分析法(9MAM:9-part Morphological トの形態要素に変更を加えることで、どのように見た ここから、9分割形態分析法の臨床への応用方法について触れてみたい。まず、本分析法を臨床に落とし込むには、天然歯の各パートのもつ形態要素を理解し、そこに臨床要件を重ね合わせる必要がある。そして、歯の形態分析から形態変換をともなう部位を特定し、基本三形態の中で組み合わせを行う。この際、組み合わせのルールとして、基本三形態のうち2組までの組み合わせを原則とし、前編図17内からの形態選択とする。目に変化を与えることができるのか理解が深まったのではないだろうか。 後編となる今回は、本法の臨床への応用方法と臨床形態学を取り入れた歯列デザインの実践について解説したい。 通常、術前の形態評価から、審美的・機能的な問題点を抽出しながら術者の主観を基に理想的な歯冠形態を導き出すが、近年の審美修復治療では明確なリクエストをもった患者も非常に多くなってきている。そのため、形態デザインはこのようなリクエストも着実に反映させなければならない。ここで、臨床でしばしば遭遇する形態への患者の審美改善リクエストをまとめてみたい(図1)。都築優治Ray Dental Labor京都府京都市山科区竹鼻竹ノ街道町18-8エリッツ山科ビル3FAnalysis Method)を紹介した。本法によって、どのパー46QDT Vol.50/2025 May page 0582はじめに9分割形態分析法の臨床応用Feature article #2審美修復に必要な臨床形態学
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