第3回 360°ラミネートベニアはじめに今回のポイント歯科医師:グランドメゾンデンタルクリニック東京都豊島区池袋2-60-6 グランドメゾン池袋一番館103 前回までの計2回、ジルコニアセラミックスの形成に関してお送りした。今回のケースは、対象歯の切縁部にコンポジットレジンによる修復がなされていた。前回までのケースと大きく異なる点は、う蝕がないという点である。したがって、患者には第一選択がコンポジットレジンであることをお伝えした。しかし、患歯のポジションは、わずかではあるが反対側同名歯と比較して唇側傾斜していたため、下顎前歯とのクリアランスは確保できる状態であっ①ラミネートベニア修復はエナメル質での接着を前提としているため可能な限り形成量を少なくする。②マテリアルスペースをリダクションガイドで確認しながら形成する。③支台歯形成は、目標とする支台歯形態のイメージをもち、それを具現化するため日々鍛錬が必要である。98QDT Vol.50/2025 May page 0634荻原太郎Taro Ogiwara連載QDT Beginners Manual for Dentistた。そこで、もし歯軸改変を望まれているのであればセラミックスによるクラウンワークになるというセカンドチョイスを提示したところ、患者は後者を選んだ。 今回は、前回までと同様にクラウンワークではあるものの、形成量を最小限にした360°ラミネートベニアの支台歯形成の流れについて、₁のケースを例にしてステップごとに解説したいと思う。連載 QDT Beginners Manual for Dentist 前歯部支台歯形成前歯部支台歯形成
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