QDT 2025年9月号
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た 3 stepの製作手順について紹介した。 後編では前編の内容を踏まえ、各工程をさらに細かく分けて具体的に説明していきたいと思う。なお、本稿において、 ステイン材は松風社のヴィンテージ アート ユニバーサルを使用している。イヤーの厚み」にある。ステイン法ではごく薄い層での表現が求められるため、レイヤリング法とは異なる繊細な工夫が必要になる。言い換えれば、ステイン法とは“ 超極薄のレイヤリング”であるとも言えるであろう。 こうした考え方をもつことで、ステインによる色の対比や立体感の表現も、従来からクリアランスが限られた症例で行っていた技法の延長として理解することができる。つまり、ステイン法を独立した別の技術とはじめにステイン法は“ 超極薄のレイヤリング”という視点で捉える後編: ステイン法における具体的な表現方法枝川智之有限会社パシャデンタルラボラトリー千葉県流山市南流山 1 -19- 7 前編では、光が色調に及ぼす影響や、素材ごとに異なる屈折率と反射率によって、白さの見え方に差が生じるメカニズムについて解説させていただいた。また、そのうえで、モノリシックジルコニアにグレージングパウダー(以下、GP)とステインを混ぜた半透明なペーストを用いる際の考え方と、その考えを反映させ マイクロレイヤリングとステイン法は、一般的に異なる技法として扱われることが多い。しかし筆者は、どちらも同じ「レイヤリング法」の延長線上にあると考えている。ステイン法で使用するGPはレイヤリング法で用いる透明陶材と同じと考えると、ステインは“ 色のついた不透明陶材 ”と捉えることができる。このような視点に立つことで、従来のレイヤリング法で培ってきた知識や技術を、ステイン法にも応用できると考えている。両者の違いがあるとすれば、それは「レ40QDT Vol.50/2025 September page 1100Feature article #2モノリシックに対する立体感のある表現を目指して

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