QDT 2025年9月号
3/9

1 .ボクシングの意義Kenichi MatsudaQDT Vol.50/2025 September page 1124Yuji Kuwana/松田謙一* 2  * 1 歯科技工士:入れ歯の技工所 おり鶴神奈川県相模原市緑区西橋本 4 - 8 -40* 2 歯科医師:医療法人社団ハイライフ 大阪梅田歯科医院大阪大学大学院歯学研究科 有床義歯補綴学・高齢者歯科学講座 臨床准教授大阪府大阪市北区梅田 2 - 6 -20 パシフィックマークス西梅田 2 F桑名勇至* 1  ― その理論とテクニックを整理する― ラボサイドの 2 日目の作業は、作業用模型製作~咬合器へのマウント、人工歯排列までの工程である。通常は、前歯部および臼歯部の人工歯をすべて排列し、その状態で試適に臨む。しかし、咬合が不安定でゴ ボクシングとは、印象体をワックスなどで囲い、石膏流し込み時に適切な形状の模型底面を得るための操作を指す。この工程を省略したり不適切に行ったりした場合、模型の変形、底面の不均一、咬合器マウント時の不安定性など、多くの問題を引き起こす可能性がシックアーチ上のタッピングが安定しない場合には、前歯部のみを排列し、臼歯部はろう堤にして再度咬合の確認を行うこともある。本稿では、前歯排列試適を行うための技工手順について解説する。ある。 ボクシングによって形成された模型の底部は平坦かつ厚みが均一となり、後工程での作業効率や再現性の向上に寄与する。また、適正なボーダーラインの再現や模型の強度確保にもつながるため、単なる「囲い作業」以上の意味をもつ。連載 義歯臨床の成功率を高めるBPS ─その理論とテクニックを整理する─連載64義歯臨床の成功率を高めるBPS義歯臨床の成功率を高めるBPSBPS作業用模型製作、前歯排列第9回はじめに作業用模型製作

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る