QDT 2025年9月号
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小出俊介LEVEL NEXT STUDY CLUBリレー連載第 3 回 ラミネートベニアにおけるデジタルとアナログのワークフローはじめにT’s Factory/大阪府大阪市浪速区日本橋西 1 - 2 -10-401 歯科界のDX 化は日進月歩で進んでおり、歯科治療におけるさまざまな要素がデジタル化してきている。とくに、われわれ歯科技工士にとっての大きな変化は、近年のIOS(Intra Oral Scanner)の普及だろう。IOSでスキャンされた口腔内データから補綴装置を製作する機会が増えたことで、ラボにおけるデジタル化はますます進むことになった。以前のデジタル技工といえば、ミリングマシンを用いたジルコニアフレーム・クラウンの製作が主流であった。しかし近年では、それに加えて 3 Dプリンターの安定性が増してきたことから、デンチャークラスプや金属床、メタルクラウンなどの鋳造用パターン、また、歯列模型といった口腔外で使用されるものだけではなく、プロビジョナルレストレーションやフルデンチャー・ノンクラスプデン72チャーなどといった口腔内で直接使用されるものも 3 Dプリンターで製作されるなど、その適用範囲は広がってきている。 今回供覧するのは、歯科医師がデジタル機器を用いた検査・診断を行った後、ラボサイドでデジタルデザインしたラミネートベニアのキャスタブルレジンを 3 Dプリントし、最終的にプレスセラミックスに置き換えた前歯部審美症例である。本症例は当初、モノリシックのステイン法で仕上げたのだが、明度不足のために再製作することになり、その際はマイクロレイヤリング法で仕上げた。今回は、その 2 種類のラミネートベニアのアプローチを紹介したい。QDT Vol.50/2025 September page 1132審美修復治療成功のためのプロセス

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