ecnedveili ?euqnhcetrofsihtatnederehtsIQDT Vol.50/2025 October page 1270 そこで今回は、2018年~2025年に報告された 9 本の関連論文を読み解き、①生存率・成功率、②接着強さ・透過性、③適合精度の 3 つの観点から整理しました。す。 5 年で95.5% 2 ~100% 3 、 7 年で99.1%(しかもフェザーエッジ形成)4 、10年でも86.0% 2 という報告があり、優れた曲げ強度とその信頼性を裏付ける結果となっています。なお、2021年の前向きRCT では、 3 年間で二ケイ酸リチウム(CAD)が100%、ジルコニアが93.3%と、両者の生存率は統計有意差なしと報告されています 5 。ニア、 5 Yジルコニアが続く結果でした 6 。透過性についても、二ケイ酸リチウムが高スコアを示し、ジルコニア系材料よりも優れていたとされています。連載 その歯科技工に根拠はあるの? ─今日から役立つ補綴治療のエビデンス─髙瀬 直Dental Labor Gross東京都渋谷区神泉町16-14 サンフォンテーヌ渋谷101 日々の臨床において、ジルコニアと二ケイ酸リチウムのどちらを選ぶのか。これは多くの臨床家が頭を悩ませている問題です。 まずは生存率に関するデータから見てみましょう。実は、とくに酸処理された二ケイ酸リチウム(プレス)は、非常に優れた成績を示しています。16.9年という驚くべき長期観察研究において、なんと96.5%という累積生存率を記録し、さらに厚みが 1 mm未満であっても生存率には有意差がないとのことでした 1 。 一方で、モノリシックジルコニアもさすがの耐久性で 次に、「接着強さ」と「透過性」について見ていきましょう。あるレジンセメントを用いた接着試験においては二ケイ酸リチウムがもっとも接着力が高く、これに 3 Yジルコ80第 4 回 ジルコニア vs. 二ケイ酸リチウム ─何を基準に決めたら良いの?─結局どっちが良いの?①生存率・成功率:ジルコニアは予想通り。実は、二ケイ酸リチウムも長生き②接着強さ・透過性:二ケイ酸リチウムがややリード連載その歯科技工に根拠はあるの?─今日から役立つ補綴治療のエビデンス─
元のページ ../index.html#7