■睡眠の役割■子どもにおける年齢別の推奨睡推奨睡眠時間適切な睡眠時間の範囲(適切な睡眠時間には個人差がある)10~13時間8~10時間6511~14時間9~12時間1~2歳児小学生3~5歳児中学・高校生・身体の回復,修復・眠気の解放・脳の機能回復・記憶の整理,定着・自律神経の調整・ホルモンバランスの調整・免疫機能の増強・脳の老廃物の除去 睡眠を語るとき,一般的な睡眠時間から「1日の1/3は睡眠」といってその大切さを強調することがありますが,小児の場合は少し異なります.「健康づくりのための睡眠ガイド2023」2に記載されている小児における年齢別の推奨睡眠時間(図2)によると,必要な睡眠時間は年齢によって変化をしており,とくに頭蓋顔面の発育が旺盛な小学生までは「1日の半分は睡眠」といっても過言ではありません.図1 睡眠は身体の回復,修復や眠気の解放だけでなく,生きていくうえで大切な役割を担っている.図2 年齢別で睡眠時間は異なり,昼寝を必要とする年齢も5歳児までとされている.推奨される睡眠時間から考えると,小学生までは「1日の半分は睡眠」といっても過言ではない.(参考文献2より改変引用)the Quintessence. Vol.44 No.1/2025—0065眠時間 睡眠の役割とは何でしょうか.一般的なイメージは身体の回復,修復や眠気の解放ですが,それだけではありません.睡眠の役割をまとめると図1のようになります1.これら睡眠の役割によって,身体は翌日に活動するための備えを行っているのです.この役割を果たすためには,十分な時間が必要になります.1)睡眠の役割と必要な時間1.小児の「睡眠」とは
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