ザ・クインテッセンス 2025年1月号
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QA新連載新連載第1回:基礎資料歯周病に罹患した患者さんのデンタルエックス線写真を撮影した際,デンタルエックス線写真のどの部分に着目し,どのように患者さんに説明すれば伝わりやすいでしょうか?POINT1 歯石の付着 歯石の付着があるかどうかはもちろんのこと,とくに歯槽骨頂部の歯槽硬線や歯根膜腔,歯根周囲の骨梁の状態などに着目してみるとよいでしょう.POINT2 歯槽骨頂部の歯槽硬線本連載の趣旨:本連載では,主に卒直後から卒後数年の若手歯科医師が日頃の臨床で出会うであろう疑問点について,Q&A形式で解説していく.クエスチョンの分野は多岐にわたるため,その分野に造詣の深い“歯科医師の先輩”が各回でそれぞれ回答していく.エナメル境)や骨欠損底からどれくらいの位置に歯ようになります. また歯周基本治療を行ううえで,CEJ(セメント-石が付着しているのかを確認することにより(図2),超音波スケーラーや手用スケーラーで根面をデブライドメントする位置の指標となります. デンタルエックス線写真で見られる歯槽硬線の正常像は,歯根膜腔を介して歯根と平行に0.3mm前the Quintessence. Vol.44 No.1/2025—0138138キーワード:デンタルエックス線写真,正常像,歯槽硬線,歯根膜腔相談者H.Hさん26歳,勤務医回答者 中村一寿 デンタルエックス線写真から歯石の付着を確認することは,PPD(プロービングポケットデプス)を測定する際の重要な情報となります. 大きな歯石が付着している場合は歯石にポケットプローブが引っかかり,正確に測定できない可能性が考えられます(図1).そのため,デンタルエックス線写真の情報から歯石を避け,ポケットプローブを入れる方向を想像すること1で,患者さんへの負担が少なく,かつ正確に歯周病の状態が確認できる神奈川県開業 青葉台なかむら歯科連絡先:〒227‐0055 神奈川県横浜市青葉区つつじが丘1‐14知りたいけど今さら聞きづらい疑問に答えます!Question &Answer歯科臨床STEP UPアドバイス

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