ザ・クインテッセンス 2025年3月号
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特 集 3はじめにthe Quintessence. Vol.44 No.3/2025—0496三輪俊太 歯科訪問診療に限らず,在宅医療や高齢者医療においては多職種の関与が不可欠である.医師,歯科医師,看護師,歯科衛生士,栄養士,リハビリ職など,さまざまな専門職が協力し,患者に対して総合的なケアを提供することが求められている.しかし,現場においては多くの課題も浮き彫りになっている. 現在,多くの医療現場で見られるのは「多職種参加型」と呼ばれる形態である.ここでは各職種が関与しているものの,その連携は十分とはいえず,診療に関する情報共有が限定的であり,結果としてケ岐阜県開業 Ihana歯科岐阜連絡先:〒501‐6035 岐阜県羽島郡笠松町円城寺873The New Stage in Home Dental Care:From Multidisciplinary Team Model to Interdisciplinary Team Model!88Shunta Miwaキーワード:歯科訪問診療,多職種連携,多職種参加型,多職種連携型アが“点”として提供されるにとどまっているのが実情である. この課題を解決し地域包括ケアを実現するためには,各職種が定期的に情報を交換し,協力を強化することが不可欠である.これにより,ケアが“点”から“線”へと進化し,患者に対してより質の高いサービスを提供できるようになる. 本稿では,歯科訪問診療をはじめとする在宅医療の現状とその課題に焦点を当て,“多職種参加型”から“多職種連携型”への移行を具体例とともに紹介する.また,地域包括ケアの理想形である“超職種型”に向けた展望についてもふれ,今後の取り組みへの実践的な知見を提供することを目的とする.―多職種参加型から多職種連携型へ!―歯科訪問診療の新たなステージ

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