ザ・クインテッセンス 2025年4月号
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 一般的にインプラント治療は,部分欠損症例が多数を占めていると思われる.筆者らの診療所においても,部分欠損症例が大部分を占めている.保存不可能と診断された歯は抜歯となり,その欠損部分にインプラント治療が応用されている.しかしながら,他の歯科医院でインプラント治療が行われたもののなかには,歯槽骨量が不足していると思われる部位にインプラントを埋入したような症例,あるいは隣在歯よりもとても深く埋入された症例が多数散見される. 抜歯にともない,歯槽骨は骨のリモデリングによって,破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成を繰り返して再構築される.しかしながら,重the Quintessence. Vol.44 No.4/2025—0648特 集 1はじめに木村英隆/酒瀬川峻士/友利太亮/木村玲里 1965年9月29日に世界で初めてデンタルインプラントが臨床応用され,さらに日本においても1983年6月7日に公式な第1号のデンタルインプラントが植立された.歯科医療にデンタルインプラントが臨床応用されてから60年を迎えようとしている.無歯顎症例の応用に始まり,次第に部分欠損症例に応用され,現在では個人開業の歯科医院においてもインプラント治療が多く導入されるようになった.インプラント治療は60年の歴史のなかでさまざまな変遷や改良を繰り返し,確実に進歩してきたといえる.福岡県開業 医療法人木村歯科連絡先:〒810‐0001 福岡県福岡市中央区天神1‐6‐8‐5FAlveolar Ridge Preservation Surgery for Implant Treatment:Recommendations for Reducing Surgical Burden on Patients38Hidetaka Kimura, Takashi Sakasegawa, Taisuke Tomori, Reiri Kimuraキーワード:歯槽堤保存術(ARP),段階法,インプラント治療のための6症例でしっかり理解!―患者の外科的負担を軽減するための提言―インプラント治療歯槽堤保存術

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