ザ・クインテッセンス 2025年4月号
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(図2,3).者の大半は,医科を受診していないのが現状である 一方で,睡眠に関して問題を抱えている患者の多くは,定期的に歯科検診と歯科治療を受けている.OSAの兆候は自覚症状のみならず,歯科治療中の所見,外見的特徴,口腔内所見などに現れることも多く,歯科医院は潜在性のOSA患者をスクリーニングし,早期発見し,長期的に治療を継続するサポートを行うことができる重要な立場にあるといえる. とくに,歯科衛生士は日常的な口腔ケアと健康管理のサポートを担う立場から,歯科を受診する一般患者のなかから潜在性のOSA患者を見つけ出し,検査,診断と治療が必要であることを伝え,さらに良い睡眠のための正しい生活習慣を身に着けるサthe Quintessence. Vol.44 No.4/2025—0678前 編はじめに歯科衛生士と取り組むOSAスクリーニングと睡眠衛生指導特 集 2宮地 舞 睡眠歯科治療とは,閉塞性睡眠時無呼吸て,睡眠の質を高めるだけではなく,患者の生活のとにもつながる治療である(図1). 睡眠歯科治療で忘れてはならないのは,未診断の潜在性のOSA患者の膨大な数と,それが及ぼす健康面,社会面,経済面への影響である.日本では総人口の17.4%に当たる約2,200万人がOSAに罹患しているとの報告があるが1,OSAの有病率のうち80%は未診断とされており2,睡眠障害を有する患東京都開業 DENTISTRY TOKYO SINCE 1925 MIYACHI SHIKA/歯科成増デンタルクリニック連絡先:〒151‐0064 東京都渋谷区上原1‐17‐6Up to Date Dental Sleep Medicine:Part1. The Screening of Obstructive Sleep Apnea and the Instructional Methods for Sleep Hygiene in Collaboration with Dental Hygienists68Mai Miyachiキーワード:睡眠歯科治療,閉塞性睡眠時無呼吸,スクリーニング,睡眠衛生指導,歯科衛生士(Obstructive Sleep Apnea,以下OSA)の改善を通じ質(QOL;Quality of Life)および健康寿命を高めるこUp-to-Date睡眠歯科 2025

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