歯周基本治療成長因子図1 筆者が考える歯周組織再生療法成功のための4要素とそれらを達成するための項目.本稿では,このなかの“フラップデザイン”に焦点を当てて解説していく.bility),③再生スペースの構築と維持(Space making),フラップデザイン成長因子メンブレン動揺の固定フラップデザイン骨補填材Entire Papilla Preservation Technique)について,解歯周基本治療フラップデザイン手術手技はじめに1.歯周組織再生療法におけるフラップデザインの変遷the Quintessence. Vol.44 No.5/2025—090549Blood clot stabilitySpace making本稿ではフラップデザインに焦点を当てて解説!方法,咬合のコントロール,治療手技を適切に行うことにより,初めて歯周組織再生療法を成功に導くことができる1~9. 本稿では,歯周組織再生療法を成功させるための要素の1つであるフラップデザインに焦点を当て,これまでのフラップデザインの変遷,単独歯骨欠損および複数歯骨欠損への対応,また筆者が考案した単独骨縁下欠損に有効な術式“DEPPT”(Double 説していきたい. 先人たちが提唱してきたフラップデザインのすべてに意味があり,現在でも条件に応じて選択する必要がある.さらに歴史を知ることで,近年提唱された新しいフラップデザインを真の意味で理解するこPrimary healing歯周組織再生療法成功のための4要素PDL cells 昨今,失われた歯周組織を回復させるために行う“歯周組織再生療法”が,歯周基本治療では改善が認められない重度の歯槽骨欠損に対する治療法として,予知性の高い選択肢となってきた. 筆者は多くの先人たちの教えから,歯周組織再生療法成功のために,①歯根膜細胞を最大限機能させる(PDL cells),②血餅の保持安定(Blood clot sta-④一次創傷治癒の達成(Primary healing)の4つをつねに考慮し(図1),歯周基本治療,歯周外科治療,術後管理を行っている1.この4つを達成するためには,それぞれの項目の原理および原則を理解し,すべての処置に根拠をもって実行することが必須となる. 具体的には,歯周基本治療,材料選択とその適用
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