*東京都開業 プリズムタワー工藤歯科*1千葉県開業 土岡歯科医院*2埼玉県開業 吉野歯科医院*代表連絡先:〒153‐0044 東京都目黒区大橋1‐10‐1‐1Fキーワード: ステージⅣ歯周炎,歯周補綴,臼歯部咬合崩壊, 改良型ホーレーバイトプレーンthe Quintessence. Vol.44 No.6/2025—1204134(最終回)はじめに1.歯周補綴とは2.臼歯部咬合崩壊(poste-riorbitecollapse)の歯周病専門医Morton AmsterdamとWater Coenの2人が作った概念である.Amsterdamは矯正医Vanarsdallとの25年間の歯周補綴経過観察の論文中で,「歯周補綴とは,進行した歯周病の治療に絶対的に不可欠な修復および補綴の取り組み」と定義している3.具体的には,重度に進行した歯周炎の二次性咬合性外傷のコントロールとして連結補綴や,咬合面の形態修正をした補綴様式の治療法と治療計画の概念とされる4. 歯周炎がステージⅣまで進行し,臼歯部の咬合支持を失うと,下顎運動の咬合圧を前歯部に受けて前歯部がフレアアウトするといったPTM2を起こす.臼歯部咬合崩壊(posterior bite collapse)3はこれら一連のPTMを引き起こす(図4).工藤 求*/土岡弘明*1/吉野宏幸*2 歯周炎は重度に進行すると,歯の欠損をともなうようになる.とくにステージⅣまで進行すると,5本以上の歯の欠損とともに二次性咬合性外傷,病的な歯の移動(pathologic tooth migration:PTM),フレアアウトなどさまざまな特徴(図1,2)1をもち,治療も複雑な包括的治療が必要になる.このステージⅣ歯周炎に対する治療には,欠損補綴や残存歯の二次性咬合性外傷のコントロールが必要になる場合が多い.EFP(ヨーロッパ歯周病連盟)ではステージⅣ歯周炎について,適応する治療によってType1〜4まで分類している(図3)2. 今回は,ステージⅣ歯周炎に対する治療の1つとして,歯周補綴について考察する. 歯周補綴は,1955年に米国ペンシルバニア大学第14回 改良型ホーレーバイトプレーンと歯周補綴~包括的歯周治療のススメ~Perio OrthoSynergy
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