す1,2.QAると,天然歯ブリッジが89.2%であるのに対し,単独インプラントは96.4%と報告されており(図1,2),とくに最後方臼歯の欠損に対する天然歯のカンチレバー型補綴装置では10年予後が80.3%まで低下しま また,第二大臼歯1歯欠損へのインプラント埋入に関しては,高いインプラント残存率が報告されているため,咬合機能回復および対合歯の挺出を防止するためにインプラント治療が有効であることがわ患者さんに「どれくらいインプラントはもつの?」と聞かれました.ブリッジと比較して,どのような利点,欠点があると説明すればよいでしょうか?POINT1 インプラントの長期予後と残存歯への影響の比較 インプラントはブリッジよりも残存率が高く,周囲の歯を削る必要がない利点があることを伝えましょう.ただしブリッジと比較して,治療期間が長くなり,費用が高額になることも正確に伝えるようにしましょう.本連載の趣旨:本連載では,主に卒直後から卒後数年の若手歯科医師が日頃の臨床で出会うであろう疑問点について,Q&A形式で解説していく.クエスチョンの分野は多岐にわたるため,その分野に造詣の深い“歯科医師の先輩”が各回でそれぞれ回答していく.キーワード: インプラントの予後,インプラント治療後のメインテナンス,インプラントの偶発症the Quintessence. Vol.44 No.6/2025—1258188188第6回:インプラント治療編01群馬県勤務 石倉歯科医院連絡先:〒370‐0069 群馬県高崎市飯塚町457相談者H. Sさん28歳,勤務医回答者 井汲玲雄 インプラント治療の最大の利点は隣在歯を切削する必要がないことです.すでに大きな修復物が装着されている歯や失活歯の場合は,ブリッジの支台歯として有効活用できますが,健全歯質の場合はインプラント治療を選択することで天然歯への治療介入を防ぐことができます. 大臼歯1歯欠損に対する10年の残存率を比較すQuestion &Answer知りたいけど今さら聞きづらい疑問に答えます!歯科臨床STEP UPアドバイス
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