ザ・クインテッセンス 2025年7月号
8/9

開していき,開業して20年が経過した.歯周治療を中心に予防歯科医療に重きを置いた日々の臨床を行った結果, 初診から10年以上継続して来院しているメインテナンス/SPT 患者数も徐々に増加していった. 本稿では,「10年以上経過300症例から歯の保存を考える」の第 1 回として,自院で遂行している歯周治療および予防歯科医療について述べたいと思う.ていなければ,歯科医院での予防歯科プログラムをスタッフとともに見直す必要があるとのことであった.ちょうどCOVID-19が蔓延していた時期であったが,一念発起して当院のアウトカムデータを算出し,予防歯科医療をうまく行えているか否かを検証してみることにした.117検証の時代はじまる1 .はじめに2 .予防歯科医療における達成すべき数値とは?大江丙午 筆者は大学卒業後,岡山大学歯科保存学第二講座の下で10年間の在局中に歯周病学の基礎と歯周治療について学び,日本歯周病学会歯周病専門医(日本勤務医を経て,自身が大学病院で行っていたような歯周治療を自分の診療所でも行いたいという思いを抱いて2004年 4 月に開業した. 開業当初から歯周治療を中心とした歯科臨床を展 コロナ禍のある日,本誌2021年 6 月号で西真紀子先生が執筆されたトピックスに目が留まった.西先生は,予防歯科で達成すべきアウトカムで「成人患者において長期メインテナンスで 1 人あたり平均喪失歯数が 1 本」という目標値を提示されていた 1 .喪失歯をメインテナンス中に平均で 1 本以下にでき岡山県開業 ひょうご歯科連絡先:〒700‐0034 岡山県岡山市北区高柳東町15‐15‐1FConsidering the Tooth Presentation Through 300 Cases with Over 10 years:Verification of the New Classification of Periodontitis using Peri-odontal Staging and Grading Systemthe Quintessence. Vol.44 No.7/2025—1413Hyogo Oheキーワード:予防歯科医療,長期メインテナンス/SPT,平均喪失歯数(現・歯周病態学分野)に入局し,村山洋二名誉教授歯科専門医機構歯周病専門医)を取得した. 2 年間のTHE VERIFICATION第 1 回:平均喪失歯数から予防歯科医療を検証する10年以上経過300症例から歯の保存を考える~歯周病新分類ステージ・グレード診断を検証する~

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る