ザ・クインテッセンス 2025年8月号
2/9

図 1 a,b a:睡眠中の健康な呼吸.b:OSAとその要因.睡眠中における上気道の狭窄の基盤となる病態生理には,多くの要因がかかわる.解剖学的な要因は,上気道周囲の軟部組織沈着,顎顔面形態,舌容積,扁桃肥大等により,上気道径が小さくなること等が挙げられる.また,生理学的な要因は,オトガイ舌筋を中心とした上気道開大筋群による気道開大が不十分になる上気道代償性低下,覚醒閾値の低下,呼吸調節系の不安定性および高いループゲイン(呼吸安定性の指標:ある換気変化に対する次の換気変化の割合)等が挙げられる 2(参考文献 1 より引用,改変).図 2  OSAは, 睡 眠 障 害 の な か の 睡 眠関 連 呼 吸 障 害(SRBD;Sleep Related Breathing Disorder)に含まれ 3 ,睡眠中に繰り返される気道の閉塞による無呼吸や低呼吸,睡眠中の覚醒を特徴とする疾患である.睡眠中に呼吸障害と睡眠障害が繰り返されるため,睡眠の質の低下にもつながる.the Quintessence. Vol.44 No.8/2025—156337睡眠中途覚醒無呼吸,低呼吸状態に体内の酸素が低下し,窒息と同じ状態に陥る閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の病態呼吸調整系の不安定性,高いループゲイン解剖学的上気道径の狭小化閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)呼吸障害睡眠障害上気道代償性の低下低い覚醒閾値気道が安定する呼吸が再開する気道が広がる気道が閉塞する図 1 a図 1 b閉塞

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る