歯周組織の再生を目的として,1965年にNabersら が 自 家 骨 移 植 3 を,1976年 に はMellonigら が 他家骨移植 4 について言及している(図 2).1980年のCatonらの研究では,骨移植を行ったとしても骨の再生は認めるが,再生した骨と歯根の間には長い上歯根膜由来細胞図 1 a 歯肉弁を復位すると欠損部に歯肉上皮由来細胞,結合組織由来細胞,骨由来細胞,歯根膜由来細胞が遊走・増殖してくる.図 2 1965年にNabersらが自家骨移植を,1976年にMellonigらが他家骨移植について報告している.歯肉上皮由来細胞結合組織由来細胞骨由来細胞図 1 b 4 つの細胞のうち上皮由来細胞の成長がもっとも早いため,通常の歯肉剥離掻爬術では,多くが上皮性の付着で治癒することになる.歯根膜由来細胞the Quintessence. Vol.44 No.8/2025—158559歯周外科後の治癒骨移植術後の歯根表面に出現する細胞種類の違いにより,そこに形成される付着様式が決定されるに違いない」との仮説を唱えたが 2 , 4 つの細胞のうち上皮組織の成長が早いため,通常の歯肉剥離掻爬術では多くが長い上皮性の付着で治癒し(図 1 b),新付着や骨の再生はあまり起こらない.1 )骨移植歯肉上皮由来細胞骨由来細胞結合組織由来細胞
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