はできない.そのため,現状把握のためにはエックス線を使用した検査に頼るしかない.それによって得られた画像から,三次元的な構造をどれだけ正しくイメージできるかが,治療の質を高めるためにきわめて重要なこととなる. 今日の歯内療法において三種の神器の 1 つと称される歯科用コーンビームCT(以下,CBCT)は,この“ 三次元的イメージの理解 ”という点において,非常に優れている.つまり,CBCTについて熟知してこれを使いこなすことが,歯内療法の成功に大きく影響する.しかし現状では,CBCTについてその扱い方を基本的なところから学ぶことができる機会は浦羽真太郎 歯内療法に限ったことではないが,臨床家がみずからの診療のレベルを向上させるためには,大前提として“ 処置を行う対象について十分に理解すること”が必要不可欠である.ここでいう“ 理解する”というのは,“ 対象の現状を可能な限り正しく認識すること”に他ならない.そしてその最初の一歩が“ 対象の三次元的構造を把握する”ということになる. さて,歯内療法で治療対象となるのは主に歯根と,さらにその内部の歯髄および根管である.これらはその解剖学的な特性上,視診にて直接観察すること昭和医科大学歯学部歯科保存学講座歯内治療学部門連絡先:〒142‐8555 東京都品川区旗の台1‐5‐8CBCT in Endodontics:How to Capture and Interpret CBCT for Better Diagnosis76Shintaro Urabaキーワード: CBCT,MPR(Multi Planner Reconstruction), ALADA-IP(As Low As Diagnostically Acceptable being Indication-oriented and Patient-specific)the Quintessence. Vol.44 No.8/2025—1602特 集 3歯内療法の診断精度を向上させるための鍵!はじめにはじめにはじめにCBCT 画像CBCT 画像の撮り方,読み方撮り方,読み方
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