ザ・クインテッセンス 2025年10月号
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ABC①感染の除去③創部の一次治癒③創部の一次治癒欠損への血流の確保),③創部の一次治癒(歯肉,歯間乳頭への血流の確保)の 3 つを達成することが重要と②スペースメインテナンス②スペースメインテナンス図 1 歯周組織再生慮法を成功させるためには, ①感染の除去,②スペースメインテナンス,③創部の一次治癒の 3 つを達成させる必要がある. 歯周組織再生療法を成功させるためには,①感染の除去(術野の確保),②スペースメインテナンス(骨なる.①感染の除去:歯根面の汚染,骨欠損部の炎症性組織を手用スケーラーあるいは超音波スケーラーにて除去する(図 1A).②スペースメインテナンス:感染のない骨欠損が再生の足場となるように,成長因子(EMD,FGF- 2 )あるいはメンブレンを用いる.また,血液の流入によって,血餅の安定を図る(図 1B).③創部の一時治癒:緊張のない歯肉弁を復位させ,創面を縫合する(図 1C).歯周組織再生療法成功のための 3 要素 前述の 3 要素に加えて,歯周組織再生療法は長い歯周治療のなかの短いフェーズであることを理解することが大切である(図 2). 歯周組織再生療法を行う前の歯周基本治療中に,プラークコントロールレコード(以下,PCR)およびBleeding on Probing(以下,BOP)を15%以下にコントロールすることが推奨されている12. また,歯周組織再生療法を行うのであれば,患者に禁煙してもらうことが必須だと考えている.歯肉弁の断端や,歯間乳頭付近は血管が細いため,喫煙による血流障害が歯肉弁の壊死や歯間乳頭部の裂開を招いてしまうためである.そのため,筆者は喫煙している患者には歯周組織再生療法を行っていない. さらに,糖尿病や肥満症,自己免疫疾患,骨代謝1 .歯周組織再生療法を行う前に知っておきたいことthe Quintessence. Vol.44 No.10/2025—2015371 )歯周組織再生療法成功のための 3 要素2 )一次治癒に影響する因子を考慮する歯周組織再生療法成功のための3 要素

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