adbecすべてType Ⅰと示す).いる(図 2).Type Ⅰ:どちらか一方の歯が原因の病変.近心の歯が原因の場合をⅠ - 1 ,遠心の歯が原因の場合をⅠ - 2 と分類している(本稿ではⅠ - 1 , Ⅰ - 2 含めてType Ⅱ:両方の歯が原因,またはどちらが原因の歯か判別できない病変.Type Ⅲ:根尖性歯周炎以外の腫瘍や嚢胞が原因の病変. この分類は,術前診断ですべてを網羅するものではなく,治療の過程や結果によって分類が変更されることもある.複雑な病態において,現時点での所見や診断的評価を整理し,適切な治療方法や手順をこれが……the Quintessence. Vol.44 No.10/2025—2031531 . 2 歯根尖含有病変の概要2 歯根尖含有病変2 歯にまたがり根尖病変ができている図 1 a~e a~c:外傷の既往がある₁ の根尖のみであった病変が,経時的変化によって,₂ の根尖へ波及している.d,e:₁ のみ根管治療を行い,術後,病変の治癒傾向が認められる.2 歯根尖含有病変に至るまでの経時的変化 2 歯根尖含有病変はどのようにして成り立つのだろうか.まず, 5 枚のデンタルエックス線写真による病変の経時的変化を見ていただきたい(図 1).₁から広がった病変がだんだんと₂ へ波及し, 2 歯根尖含有病変であると気づくのは図 1 cのデンタルエックス線写真を確認したとき以降となる. では,初診時に患歯の過去の経緯が不明な場合,その病態をどのように捉えるべきだろうか.前述した 2 歯根尖含有病変は,吉岡ら 1 ~ 3 によって定義されており,原因に応じてType Ⅰ~Ⅲに分類されて
元のページ ../index.html#4