コンポジットレジン直接修復セラミックインレー間接修復?orアンレー部分被覆オーバーレイ全部被覆?or35the Quintessence. Vol.44 No.11/2025—2227た修復法の選択であり,「トラブルを起こしにくい治療法を選択すること」と同義であるといえる.これは接着修復における予知性を担保するうえで,非常に重要な判断軸でもある. 信頼性の高い文献に基づいて検討を重ねてはいるものの,ひとつとして同じ症例はないため,最終的には術者自身の経験や治療に対する得手不得手によって,その選択が決定づけられているのではないかと感じている. 本稿では,臼歯修復治療におけるボーダーラインについて,比較的近年の文献的考察および筆者の臨床的見解を交えつつ,あらためて論じていきたい.1.内側性窩洞に対する各種修復法と臨床判断1-1.内側性窩洞に対する修復法の選択肢とその特徴 まず,内側性窩洞に対する修復法の選択肢について考えてみたい.日本における接着修復法は,直接修復ではCR修復,間接修復ではハイブリッドレジン製のCAD/CAMインレー修復や,セラミックインレー修復が日常臨床で頻用される. これらのなかで,長期的な予後にもっとも優れるのはセラミックインレー修復である.セラミックインレー修復は,セラミック材料のもつ高い弾性率に
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