ザ・クインテッセンス 2025年11月号
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* 1 大阪府勤務 Nao 歯科・矯正歯科連絡先:〒530‐0001 大阪府大阪市北区梅田2‐2‐2‐4F* 2 東北大学大学院歯学研究科分子・再生歯科補綴学分野連絡先:〒980‐0872 宮城県仙台市青葉区星陵町4‐1* 3 宮城県勤務 北四番丁神田歯科・矯正歯科連絡先:〒980‐0011 宮城県仙台市青葉区上杉1‐17‐20‐3F第 4 回 コンポジットレジンの選択法State-of-the-ArtAnterior Direct Restorations:Science, Art, and Perfection連載南野卓也* 1 /河阪幸宏* 2 ,3the Quintessence. Vol.44 No.11/2025—2303111はじめに1 .“色調適合範囲”による新たなCRの分類法図 1  筆者(河阪)がここ数年で買い集めた数多くのCR.それぞれのCRの特徴を知ることで審美修復治療に必要な要件が見えてくる. 近年,多くのメーカーからさまざまなコンポジットレジン(CR)が発売されている(図 1 ). そして,それら各種のCRの特性を理解することは,治療の質の向上と長期的な耐久性のために非常に重要である.また,単一のCRまたは単一の色調のCRだけですべての修復症例を成功させることは不可能である. したがって,臨床家はできるだけ多くの種類のCRを使用して経験を積み,それぞれに異なる症例に対して,最適な材料を選択できるようにならなければならない.CRは,以下のような機械的特性を備えているのが理想的である 1 .・研磨性に優れる.・破折強度に優れる.・表面硬度および耐摩耗性に優れる.・高い色調安定性を有する.・吸水性と溶解性が低い.・重合収縮が少ない. これらのことに加えて,審美性と機能性を両立させ,チェアタイムを短縮し,使用するシェード数を減らすことができるような高い光学的特性も求められる.本稿では,とくに色調再現の観点から,CRの材料的性質について今一度,考察していきたい. CRは従来,そのフィラーサイズ,粘度,適応症,機能性などに基づいて区別,分類されていた.しかし近年,単一または少数のシェードで多様な歯の色前歯部 CR 修復を極める

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