ザ・クインテッセンス 2025年12月号
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インプラントのテクニックと生物学的考察撤去54the Quintessence. Vol.44 No.12/2025—2476特 集 2はじめに インプラントによる欠損部位への補綴処置が,審美的ならびに咀嚼効率の観点から患者のQOLの改善へ寄与していることは紛れもない事実だと考えられる.しかし普及率が増えるに従い,それにともなうインプラント治療による合併症,インプラント周囲炎,インプラント周囲の硬組織および軟組織の欠損も多く報告されている. インプラント周囲炎が引き起こされる病因論は数多く報告されており,一度インプラント周囲炎が起こると指数関数的に悪化する可能性が報告されている1~3.加えて,いまだ治療法が確立されておらず,対症療法で経過観察や予知性の低い外科的な治療を行っているのが現実である. インプラント周囲炎の切除療法において,治療が成功しなかった確率はインプラントレベルで57%,患者レベルで見ると67%にも及んでおり,患部からの排膿,喫煙,プラークの貯留,5~7mm以上の骨欠損が治療成功とならない要因と見られている.それにより,治療後でもインプラント周囲組織からの排膿や出血といった状況が続くことが多く見受けられる4,5.また,生物学的な合併症だけではなく,インプラント体の破折などの機械的な合併症も見受けられる. その際,臨床家としてインプラントの撤去を選択しなくてはいけない場面にしばしば遭遇する.しかしながら,インプラント撤去に関する基礎,臨床研究は必ずしも多くは見受けられない.そこで,本稿では,インプラント撤去の適応症と可能な限り低侵襲にてインプラントを撤去する方法について,エビデンスとともに症例を供覧し,解説したいと思う.Implant Removal Techniques and Biological ConsiderationsYusuke Hamadaキーワード: インプラント撤去,bone implant contact ratio, インプラント撤去窩の対応University of California, Los Angeles, School ofvDentistry, Section of Periodontics連絡先:10833 Le Conte Ave. 63‐025B, Los Angeles, CA 90095‐1668濱田佑輔スマホで動画が見られる!P62

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