ザ・クインテッセンス 2025年12月号
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55the Quintessence. Vol.44 No.12/2025—2477図5a,b a:インプラント周囲炎の悪化とともにスレッドの露出が認められる.角化粘膜の欠如と退縮が認められ,インプラント補綴は困難な状況である.b:約50~60%の骨欠損が認められており,インプラント撤去の適応症と考えられる.⑤インプラント周囲炎の進行インプラント撤去の適応症cbaba1.インプラント撤去の適応症 インプラント撤去の適応症にはさまざまな項目が挙げられるが,なかでも次のような項目が主に考えられる.①周囲組織への侵襲(図1).②審美的な問題(図2).③インプラント体の破折(図3).④修復不可能な埋入位置と角度(図4).⑤インプラント周囲炎の進行(図5). インプラント埋入の位置により,解剖学的に重要図1a~c a:他院にて₆へのインプラント治療が行われ,その後咬合時のインプラント部位の違和感と痛みを主訴に当院に来院.インプラント部位の違和感をもとに軟組織の移植手術も他院にて行われている.埋入位置は多少頬側寄りに位置付けられているが,軟組織の状態はとくに問題がない.b:デンタルエックス線所見にて,インプラントが遠心に傾斜しており,根尖が₇部と重なって見えている.インプラントと歯の接触を疑い,インプラント撤去の治療方針が選択された.c:インプラント撤去後,₇近心頬側根とインプラントの接触が確認できる.図4 インプラントが頬側へ傾斜しているため,補綴装置の製作が困難となっている.補綴装置製作が困難もしくは不可能な場合は撤去の適応となる.図3 インプラント体の破折は,インプラント撤去の適応症となる.図2 インプラントが頬側へ傾斜しており,歯列の外側へ埋入されているため,審美的な問題を引き起こしている.露出したインプラント部位への軟組織または硬組織移植による被覆は予知性も低く,適応症ではないと考える.①周囲組織(隣在歯,副鼻腔,神経,血管等)への侵襲②審美的な問題③インプラント体の破折④修復不可能な埋入位置と角度

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