株式会社モリタ × 山崎史晃×石川航生 巻頭特集2まずはプロビジョナルレストレーションから3Dプリンターを活用するのがお勧め!デンチャー以外には、どのようにして歯科医院のワークフローに3Dプリンターを組み込んでいるのですか?3Dプリントデンチャー(治療用義歯)▼▲3Dプリントデンチャー(最終義歯)これからのデジタルデンチャーの主流は3Dプリントデンチャーになる! 治療用義歯やトライインデンチャーは、人工歯と床がモノリシックの状態で3Dプリントを行う(写真は右側の床部分に歯肉色のカラーリングを行った状態)。ミリングに比べてコスト的にも時間的にも非常に有利であるため、仮に最終義歯をミルドデンチャーで製作する場合でも、その前工程までは3Dプリンターで製作したほうが良いと考えている。 最終義歯は床と人工歯を個別にプリントし、床用の樹脂インクを用いて一体化する。床用の樹脂インクを用いることで非常に強固に一体化されるだけではなく、接着材のコストカットにもなっている。 最終義歯もミルドデンチャーと比較してコスト的にも時間的にも非常に有利であり、とくに材料費は10分の1のコストで製作可能である。です。3Dプリンターで製作することで、時間的にも早く、そして簡便に製作できるようになりました。 とくに近年販売されたTeeth & Tempは、プロビジョナルレストレーション用のCAD/CAM用ディスクやブロックよりも強度が高いのです。ですから、ブリッジなどに使用しても破折の不安が少ないですし、審美的にも十分なものが製作できます。また、もうひとつの特長として、即時重合レジンとの接着が可能なことも挙げられます。3Dプリント用の樹脂インクは、即時重合レジンと接着しないというイメージをもたれている方もいらっしゃトできてしまいます。プリントデンチャーの場合、プリント後の洗浄・重合の工程も必要なのですが、その時間を加えても、製作時間はプリントデンチャーのほうが短いです。山崎:また、たとえば、プリントデンチャーでトライインデンチャーを製作して患者さんに使用していただき、最終義歯はミルドデンチャーという選択肢も考えられます。つまり、最終義歯はミリングで製作するとしても、トライインデンチャーの工程までは絶対に3Dプリンターを使用したほうが、コスト的にも時間的にも有利だということは間違いないと思います。山崎:当然、プリントデンチャー以外にも、マウスピースやナイトガード、サージカルガイド製作など、3Dプリンターは臨床で幅広く活躍しています。なかでも、私が現在3Dプリンターをもっとも活用しているのは、プロビジョナルレストレーションの製作37Q3
元のページ ../index.html#39