氏(東京都開業)をはじめ、歯周治療、補綴治療、小児歯科、インプラント治療など、多彩な歯科治療とアライナー矯正治療のコラボレーション治療例の供覧やその意義についての講演が行われた。また、すでにインハウスアライナー矯正治療を取り入れている演者によって、実際のワークフローや既存の歯科治療および矯正歯科治療のどの部分にインハウスアライナーを取り入れ効率を向上させているのかについて解説された。総合するとインハウスアライナーを用いる最大のメリットは患者へのデリバリーの早さであり、またアライナーの不適合が生じたときのリカバリの自由度が挙げられていた。本会の最後には、尾島氏から第2回日本インハウスアライナー矯正歯科研究会が2025年8月30日(土)・31日(日)の2日間、今回と同会場にて開催予定であることが発表された。インハウスアライナーでは重要な役割を果たす歯科技工士セッション、人間よりも正確にプロトコールを実行することが期待されるAIセッションを設ける予定とのことで、パワーアップし続ける本研究会への注目がより集まりそうである。較しどれほど有利にはたらくのかを定量化した研究結果を解題した。氏は、より歯冠に適合できるシェイプメモリーアライナーは治療期間中一定した矯正力を歯冠にかけることができ、それによって治療精度が向上し、アライナー矯正治療全体の予測実現性向上につながるとした。また、使用するアライナー枚数の低減が実現できる他、1歯ずつ異なるフォースのかけ方や、歯冠の部分別に厚さが異なるアライナー製造ができることから矯正力の均等化が図られる旨などを解説し、シェイプメモリーアライナーの優位性を強調した。一方日本人演者は16名で、審美的歯科治療におけるアライナー矯正治療の役割を語った山﨑長郎歯科界大注目スタディグループ2025 巻頭特集3矯正歯科治療のレッドオーシャンから逃れるにはトレンドセッターとなり、最前線に立つことしかないと述べるNarandr Chevangkul氏(タイ開業)。臨床で実施しているBiocreative Orthodontic Strategyについて解説するSeong-Hun Kim氏(韓国・慶煕大学)。審美的要求が高く緻密な補綴治療をともなう成人矯正歯科治療にはマルチな知識をもつ必要があると述べる山﨑長郎氏(東京都開業)。機能的マウスピース型矯正装置およびシェイプメモリーアライナーの併用で不正咬合を改善した症例を供覧するYoung-Jin Jeon氏(韓国開業)。アライナー矯正治療成功の鍵は患者のコンプライアンスにあり、まずはアライナー矯正治療ができる患者の選択が重要となると述べるHoi-Shing Luk氏(台湾開業)。日本アライナー矯正歯科研究会(JAAO)についてはホームページをチェック!49新しい地平により早く到達する研究会を指向し続けるVision for the next 10 years
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