尾島先生いち押しのシミュレーションソフトとは理想的な治療ステップは,①GBR,②シミュレーション,③矯正Nemo (Nemotech社)を使ったシミュレーション.第一大臼歯ならびに第二大臼歯が骨欠損しているのが確認できる.本シミュレーションソフトを用いれば,理想的なインプラントポジションにおけるGBR量を,矯正治療前にあらかじめ見極められる.56安斉昌照先生と語る アライナー×GBRの近未来尾島:今まではシミュレーション機能を兼ね備えたソフトがそこまでできませんでした.そのため,セットアップ模型の1個1個の歯を切り刻んで,バラバラに分割して並べていたと思います.それが普通の1つ目のパターンです. 2つ目はファイナルをインプラントはやらずに,暫間的なテンポラリーのミニスクリューを2本埋入して,プロビジョナルレストレーションを作る方法です.ミニスクリューを固定源にしてバイトアップして矯正をし,歯が並んだら矯正装置を外してファイナルを入れていたのですが,一番いいのは安斉先生が日頃取り組まれているGBRです. 最初に骨を作ってインプラントを埋入する場所を決めて,ファイナルの部位にインプラントを埋入したほうがだけでなく,補綴のサージカルガイドやインプラントポジション決めに至るまで,あらゆる分析をすべてデジタルで行うことができます.安斉:当院では口腔内スキャナーを使っているのですが,複合的な症例を手がけようと思ったときに自分では何もできずに,結局,歯科技工士に依頼しています.歯科技工士と何度かディスカッションを繰り返し,プランニングを立てるのですが,実際の出来上がってきたものは,予測再現性に近しい形で終わるのを経験しているので,高性能なシミュレーションを内蔵したソフトウェアがあるといいですね.尾島:ドクター側から考えると「これもできるようになりたい」「あれもできるようになりたい」「もっと難しいのができるようになりたい」との欲が出てくると思いますが,企業側から考えると,複雑な症例の場合,うまくいかなかったときにトラブルにつながりやすいので,なるべくクレームが生じにくい簡単な症例をやる先生が増えたオッセオインテグレーションするので,インプラントを固定源にして垂直的なサポートをし,プロビジョナルレストレーションまでもってくるのがいちばん理想的です. まずはGBRをし,次にシミュレーションソフトを活用して矯正治療を行えば,もっといい治療を患者さんに提供することができると思いますし,もっと治療時間を短くすることが可能でしょう.治療自体シンプルですし,実現性は高いと言えます.安斉:ちなみに尾島先生が日頃使用されているソフトウェアはどういったものなのでしょうか.尾島:うちでは「Nemo」というスペインのソフトウェアを使っています.このソフトはデジタルスマイルデザインコンセプトの開発者であり,ブラジルで開業しているDr.Christian Coachmanも使っていて,矯正治療
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