デンタルアドクロニクル 2025
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著:Regine Reymond/Christian Köhler監訳:五十嵐 一/森本太一朗/近藤尚知/森 弘樹翻訳統括:長尾龍典/脇田雅文/今 一裕翻訳:今井 遊/落合久彦/上妻 渉/大黒英莉/髙藤恭子/中島航輝/野尻俊樹/三浦 基/毛利国安B4判変型 360ページ2025-2-10発売定価 36,300円(本体 33,000円+税10%)モリタ商品コード 208041011五十嵐 一JAID顧問京都府開業:五十嵐歯科医院 私、石井佑典は、2024年7月20日(日)から6日間、JAID主催の「ザイゴマインプラントとプテリゴイドインプラント」セミナーに参加しました。ブラジル・サンパウロ市で開催された本セミナーには、Dr. Alexandaer SalvaniやDr. Den-nis Smailerといったインプラント治療の世界的権威である講師の先生方が参加し、現代のインプラント治療に必要な外科的技術や知識について多くの学びを得ることができました。 ザイゴマ、プテリゴイドインプラント治療においては、技術と知識が求められています。本セミナーでは、患者ごとの骨質や解剖学的構造に対応するアプローチが紹介され、その応用方法は非常に参考になり、柔軟な治療選択の重要性につ化した機能、咬合力を回復させることができますが、退化した口元を歯科治療のみで修復するのは限界があります。本セミナーでもDr. Salvaniによる解説があった『The Lips』(2025年2月発売)の翻訳を五十嵐理事長の元でお手伝いする機会があり、ヒアルロン酸について学ぶ良い機会となりました。今後の歯科医療はインプラントなどによる咀嚼力の回復と共に顔面表情筋の動作にも注意をはらい、活性化された口元を再現できるような知識と技術が必要になると感じます。 また本セミナーからは、Dr. Salvaniが紹介された『The Lips』の日本語訳を担当されたJAID会員の先生方が今回参加されていることにも大きな縁を感じることができました。(文:石井佑典)いて理解を深めることができました。 また、表情筋の退化とそれにともなう口唇の変化についての詳細な説明がDr. Salvaniからあり、外科的な治療だけでなく口元の審美的な変化にも対応する重要性を改めて実感しました。歯を失うことにより、上唇および下唇にはさまざまな変化が生じます。たとえば、下唇のほうが上唇より幅広く、上唇の中央がくぼむことで左右非対称に歪みます。さらに口唇は口輪筋の一部であり、これらの筋肉が退化すると上下口唇に変化が現れ、歯の喪失とともに口唇は内転、短縮し、張りがなくなります。とくに臼歯を失った場合、頬筋と舌骨が下がり、咳込みやすくなることが知られています。 歯科医療ではインプラントや義歯で退Quint Dental AD Chronicle 202567JAID主催の「ザイゴマインプラントとプテリゴイドインプラント」セミナーでの集合写真。ブラジル、サンパウロにて。書籍製作活動『The Lips』

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