デンタルアドクロニクル 2025
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米本久史JAID常務理事東京都開業:医療法人社団白翔会応してきていると思います。医院経営においては変わらないことと同じように、変わり続けることも大切だと考えています。 私の運営する医療法人社団白翔会では、分院展開はワンブランド化せずに、それぞれの分院長がやりやすいよう、それぞれのカラーを大切にしています。また、定期的に法人の勉強会やイベントを開催し、風通しの良いコミュニケーションがとれるように心を配っています。国内外の研修への参加など、学ぶ意欲のあるスタッフのサポートをし、医療人としての意識の高い医院風土の醸成は、確実に売上につながっています。 歯科医院の経営を成功に導くには、歯科医師としてだけではなく、経営者としての目線が不可欠です。しかし私自身は、経営者として先見の明に長けているかと問われれば、決してそうとは言えないと思っています。 私自身、若い頃はスタッフとの距離も近く、コミュニケーションもよく取れていましたが、今は親子ほどにも年齢が離れたスタッフも多く、中堅層がいないのが悩みです。人材確保の面でも、若い経営者のほうがより選ばれやすいだろうと感じています。 そんななかでも、現在6つの医院を運営し、多くの良きスタッフに恵まれています。20年以上ともに歩んでくれているスタッフもおり、自分の辿ってきた歯科経営の道の何がよかったかと思いを巡らせると、それは、「ひととの出会いに尽きる」のではないかと、すべての出会いに培われたものだと感謝しています。 私自身、積極的に海外研修などに参加し、志の高い歯科医師たちに出会ってきたことにも、大きな影響を受けています。それが自分より経験豊富な先輩であればもちろん、若い歯科医師たちにもさまざまな話を聞き、その経営手法も、良かれと思ったことは大いに参考にさせていただいてきました。 もちろん、「すべては患者様のために」というポリシーは変わりませんが、さまざまな人と出会い、話をうかがい参考にして、スタッフの声に耳を傾け、働きやすさを大切に、時代の変化にも柔軟に対JAID特集  現在も「すべては患者様のために」というポリシーをもって日常臨床にあたっています。このポリシーを貫いてきたからこそ、多くの志の高い歯科医師と出会えてきたのではないかと思います。68定期的に法人の勉強会やイベントを開催することで、風通しの良いコミュニケーションを図れるように心を配っています。JAID会員が教える“私の経営術”出会いを大切にしてきた30年間

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