櫻田雅彦JAID常務理事千葉県開業:医療法人社団櫻雅会保するため、歯学部が多くある中央線沿いから選んだ。このため人材に困ることはなく、後に開設する三河島医院や汐留医院への人材移動も容易である。 三河島医院は千葉・東京医院のかけ橋的な存在としている。千葉両医院の多くの従業員は常磐線を利用していることからこの場所を選択した。互いに往来が容易なことから、全医院のクオリティ均一化に貢献している。 時代は日進月歩である。今後の医院設計は大きく変わっていくかもしれない。デジタル化の恩恵もあり、予約はネット、会計はキャッシュレス化や自動精算機の導入など、受付周りの設計から変わっていくだろう。 筆者の法人は千葉県2医院、東京都3医院、計5医院、約100名の従業員で構成されている。筆者自身、特別な経営の方法を学んできたわけではない。本稿では、その5軒の立地選択について執筆させていただきたい。 最初に開業した千葉県白井市に位置する本院は、郊外のベッドタウンである。患者層も広く経営は安定しやすいが、流動人口が少なく、多くの新患数を見込めない地域でもある。開業時は現在のようなインターネットなどの普及もなく、その認知に時間を要した。そこで2軒目の千葉県鎌ケ谷市の医院は、本院のサテライトの意味を含め、隣駅前のショッピングセンター内での開院とした。こちらの医院にはみずから何かを発信することなく、多くの人が集まり、患者数はすぐに本院を超える。医院設備は一般的なものにとどめ、インプラントなどを含めた保険外患者は本院へ誘導するという流れをつくった。 これにより、鎌ケ谷医院は多くの患者数を保ちつつ、本院は保険外患者を増やすことができた。本院は手術室を2つとし、スタッフが術前準備を2室それぞれで進め、術者のみが移動して施術することで、時間効率を高めることに成功している。 汐留、飯田橋の医院は同日に開業した。汐留医院は分院展開にあたり、法人の東京本院として都内中心地を選択する必要があった。これは外国人患者への影響も大きい。飯田橋の医院は優秀な人材を確Quint Dental AD Chronicle 202569筆者の法人のロゴ。路線図と筆者の医院がある最寄り駅。とくに三河島医院は、千葉・東京医院のかけ橋的な存在としている。JAID会員が教える“私の経営術”これまでの経験を踏まえた開業立地選択
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