1黒色部のCR修復をマイクロスコープ下で行い,患者の行動変容につなげた1症例愛知県勤務 ハピネス歯科こども歯科クリニック連絡先:〒444‐0103 愛知県額田郡幸田町大草広野78‐1常臨床をマイクロスコープ下で行うことで,患者に治療内容の 歯科既往歴 患者は外見を気にするが,口腔ケアには無頓着で,今回の主訴部位についても友人の指摘で初めて気づいた.通常,痛みがあるときのみ歯科医院を受診する. その他 通院は徒歩圏内で可能.イボリー型)を用いて,最小限の歯質の切削を行い,■どのように検査を進め,診断したか:₁の近心には,う蝕による黒色部を認めた(図1).そのため,デンタルエックス線写真の撮影を行った(図2).■検査結果および治療計画説明時の患者の反応:デンタルエックス線写真にて,エナメル質に限局した透過像を認めた(図2).う蝕は浅く治療介入しないという選択肢もあるが,主訴の改善のためには治療介入が必要であることを患者に説明すると,納得した様子であった. そこで,マイクロスコープ下でセパレーター(アコンポジットレジン(以下,CR)修復による治療を提案し,同意を得た.2024年6月号患者のバックグラウンド検査・診断,治療計画 臨床経験年数 2017年九州歯科大学を卒業し,同大学附属病院歯科麻酔科に入局,日本歯科麻酔学会認定医を取得.その後,2020年よりハピネス歯科こども歯科クリニックに勤務.PERF-JAPAN,臨床基本ゼミ,P.I.Fハンズオンセミナー等を受講.若手歯科医師合同勉強会,SSS,NGDS等に所属. 診療方針 一般歯科医師(GP)として幅広 患者 患者は23歳,女性.物静かではあるが,真面目で治療には協力的.ネイルサロン勤務. 主訴 前歯の黒い箇所が気になる.患者の背景を踏まえて治療にこだわる若手Dr. にご登場いただく欄キーワード:コンポジットレジン修復,マイクロスコープ診療い分野を学ぶとともに,専門性を発揮できるよう修復治療や根管治療の質には重点をおく.また,日フィードバックを行い,口腔内への関心を高めることを意識する. 日々の臨床 0歳児から成人,無歯顎の高齢者まで,また,その内容は1歯単位の治療から一口腔単位の治療まで多岐にわたる. 日常臨床で行う治療の内訳歯科麻酔10%歯周治療10%根管治療10%補綴治療20%My First Stage小児・障がい児歯科(咬合育成を含む)30%修復治療20%the Quintessence. Vol.43 No.6/2024—1302192192松川維吹
元のページ ../index.html#1