MFS 2024年7月号(お試し版)
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the Quintessence. Vol.43 No.7/2024—1537197197岩井泰伸矯正歯科治療5%歯周治療20%保存治療35%千葉県開業 岩井デンタルオフィス連絡先:〒260‐0021 千葉県千葉市中央区新宿2‐12‐1題点や治療方針の共有を行い,歯質や歯髄の保存,精度の高い臨床に努めている.加えて,患者の健康観を高め,メインテナンスによる長期経過のサポートも行う.される.口腔内の状態に応じて,限局的な治療に留める場合もあれば,歯周外科治療やインプラント治療を含めた咬合再構成治療を行う場合もある. 歯科既往歴  メインテナンスを受けていたが,プラークコントロール不良,不適合補綴装置,二次う蝕があり,ノンクラスプデンチャーは咬耗してアンチモンソンとなっており,適合不良で義歯は安定を欠いていた. その他  習いごとをしているため,通院は月に2~3回であった.全顎検査後のカウンセリングにて治療計画を数パターン説明し,治療の承諾を得た.患者からは,可能な限り歯の保存に努めてほしいと要望があった.た(図1).■どのように検査を進め,診断したか:顔貌,口腔内写真,デンタルエックス線写真,歯周組織検査,顎運動等の資料収集を行った.その結果,広汎型慢性歯周炎ステージⅡグレードAと診断し,すれ違い咬合かつ咬合高径や咬合平面の不正,歯根破折,不適合補綴装置,二次う蝕,根尖性歯周炎が認められ■検査結果および治療計画説明時の患者の反応:ノ2024年7月号患者のバックグラウンド検査・診断,治療計画 日常臨床で行う治療の内訳インプラント治療5%補綴治療35% 臨床経験年数  2013年日本大学松戸歯学部卒業,2018年同大学大学院修了,2014~2019年若林歯科医院勤務,2018年Maryland大学Externship,2019~2022年オーラルケアクリニック青山院長,2022年岩井デンタルオフィス開院.日本歯周病学会,日本臨床歯周病学会,歯考会,乳歯会,DIO,LIFE所属. 診療方針  患者の希望を理解したうえで問 患者  患者は78歳,女性.既存の義歯は長年の使用によって摩耗し,咀嚼困難であることがうかがえた.性格は怖がりだが,しっかり治したいという意思があった.全顎的な治療を希望していたが,インプラント治療は希望しなかった. 主訴  食事の際に噛みづらく疲れる,また笑ったときに上の前歯が見えないのが嫌とのこと.患者の背景を踏まえて治療にこだわる若手Dr. にご登場いただく欄キーワード:歯冠長延長術,シンギュラムレスト,総義歯,部分床義歯 日々の臨床  小児から高齢者まで幅広く来院少数歯残存歯列に対して,顔貌および審美性に考慮して義歯治療を行った1症例

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