MFS 2024年10月号(お試し版)
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2024年10月号福岡県開業 たからまち歯科クリニック連絡先:〒816‐0824 福岡県春日市小倉1‐1め,当院を受診した. 歯科既往歴  昔から歯は丈夫で,何かあったら歯科を受診する程度であった. 4 年前に上顎右側のインレーが脱離し,歯科医院を受診したのが最後である. その他  現在は身の回りのことも落ち着いており,自身の時間が取れるため,今のうちに治療をしたいという要望がある.■どのように検査を進め,診断したか:まず患者の自覚症状を確認後,エックス線撮影を行った(図められたため,歯周組織検査を行った(図 1 b).患者に口腔内の状態を説明後,自発痛がなく,咬合時にフレミタスを触知したことから,咬合痛の原因は咬合性外傷と考えられたため,咬合調整を行った. 再来院時に咬合痛が緩和したことを確認後,基礎資料の採得を行った(図 2).基礎資料より,広汎型慢性歯周炎ステージⅢグレードCと診断した.エッ 矯正歯科治療5 %歯周治療45%患者のバックグラウンド検査・診断,治療計画 臨床経験年数  2005年九州大学歯学部卒業後,九州大学病院咬合補綴科にて研修.その後,中村歯科医院(熊本県天草市),ふじた歯科医院(福岡県春日市)にて勤務.2013年たからまち歯科クリニック開業.安東俊夫先生の歯周外科コースを受講.PABC 所属.日本歯周病学会認定医,日本顎咬合学会認定医. 診療方針  患者とのコミュニーケーション 患者   患 者 は61歳, 女 性, 非 喫 煙 者. 性 格 は 真 面 目 で,おっとりした性格である.家族は夫と娘がおり,娘の勧めで当院を受診された. 主訴   1 年くらい前から下顎左側部に咬合痛を時々自覚するようになったが,身内の介護もあり忙しかったため,ずっと放置していた. 1 か月前から力が入りにくいと感じるようになり,咬合痛の頻度も多くなってきたた1 a).₇の遠心辺縁から根尖までに及ぶ透過像が認患者の背景を踏まえて治療にこだわる若手 Dr. にご登場いただく欄キーワード:エンドペリオ病変,咬合性外傷,歯周組織再生療法を通じて,その患者背景を理解し,最適な治療の選択を行うように心がけている.また,患者の口腔内で長期的に安定するように治療を行いたいと考えている. 日々の臨床  当院に来院する患者は30~50代がもっとも多い.この年代は歯周病の好発年齢であるため,治療が必要な患者には積極的な治療を過不足なく行うように心がけている. 日常臨床で行う治療の内訳 インプラント治療5 %根管治療15%補綴治療30%My First Stagethe Quintessence. Vol.43 No.10/2024—2246180180中野彰博エンドペリオ病変を有する下顎左側第二大臼歯に対し,歯内療法と歯周組織再生療法を行い保存した 1 症例

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